2021年7月14日水曜日

2021年 春アニメ 全話見たアニメの感想 まとめ

聖女の魔力は万能です #12


◇Vivy -Fluorite Eye's Song-
◇ゴジラ S.P <シンギュラポイント>
◇スーパーカブ
◇聖女の魔力は万能
◇究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら
◇フルーツバスケット The Final 
◇ひげを剃る。そして女子高生を拾う。
◇幼なじみが絶対に負けないラブコメ
◇オッドタクシー
◇蜘蛛ですが、なにか?
◇シャドーハウス
◇ワンダーエッグプライオリティー

◇Vivy -Fluorite Eye's Song-
 完全オリジナル作品での久々のヒット作。歴史に沿ってミッションをこなしていく様子はシナリオがしっかりしているFPSゲームのよう。作品内の造語や設定などしっかり作り込んでおりワクワク感が強い。ハリウッド映画にかなり影響を受けている感じはするけれど、アニメ作品として作画や演出などうまく落とし込んでいると思う。
 ただ、タイトルにSongとあり主人公のロボも歌専用に作られたというのに、本編の音楽が歌がいまいちパッとしないのが非常に惜しい。最近の作品の中ではかなりの良作なだけにサントラも劇中歌も10年20年と残っていくような名作であって欲しかった。脚本と設定、作画で予算が尽きたのかなと感じてしまう。かなり惜しいけど今期1位2位の面白さのアニメ。
7/10


◇ゴジラ S.P <シンギュラポイント>
 初めてちゃんとみたゴジラかもしれない。特撮をアニメ化する流れはこれで2例目だけど、思っている以上にゴジラって深いんだなと思わせる集成作。リメイクでありつつ新作でもあるそんな雰囲気のアニメ。ゴジラや特撮の面白さってなんだろうとずっと疑問だったけれど、この非日常のドキドキ感は人間の生存本能に訴えかけるなにかを感じる。これは巨大台風が上陸したときと同じ雰囲気を感じる。
 このアニメゴジラという雛形がありつつも、実は声優さんに大きく支えられているような感じがした。特にジェットジャガーといペロ2といいよくわかっているなと思う。全体の緊張感と声のゆるさのギャップがこれまた良い感じ。
 ストーリーとしては1クール内のなかで無理矢理締めた様な感じがしたけれど、次回作への伏線も張りつつ一応ちゃんと閉じました感も出しつつ良く出来ていると思う。このあたりはスタッフがかなり優秀。
7/10


◇スーパーカブ
 The 宣伝趣味アニメ。リアルのメーカー起業全面協力のもと作られた産業作品。侘びさびを感じさせる、ポエムチックな画面の使い方となんだか異世界感のある淡いストーリー。
 全体的におっさんの妄想であることは仕方ないけれど、演出も相まって、この世界そのものが、誰かの夢の中なんじゃないかと感じてしまう。
 宣伝アニメでありつつもそんなに嫌悪感がない。意外に媚びないリアルを切実に伝える共感の作品なのかも知れない。嘘をつかない、寒いとか雨とか、そのまま辛そうに表現する。この正直さがこの作品の憎め差であり特徴。
 なにより主人公の小熊も礼子も突っ込み待ちみたいなずれたキャラなのがおかしいけれど憎めないコミカルさ。この作品見て思ったのはやっぱり、バイク乗りってアホだ。
6/10


◇聖女の魔力は万能
 少女漫画の表現技法を用いた異世界転生なろう作品。異世界転生モノはどれも単調だったなろう作品への新しいエッセンス。そういえばなろうにも女性向けがった。女性向けと言っても王道少女漫画の系列で日曜の朝に見たいくらいに爽やかで清い。
 なろう世界ではいつもぱっとしない主人公キャラも、聖女のセイが一番輝いている存在(物理)。女性向け作品特有のご都合主義も逆に面白ギミックになっていた気がする。次に同様の作品があっても恐らく見ないであろうけれど、ここ最近の異世界モノでは最も楽しめた気がする。
7/10


◇究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら
 糞ゲーをこなすクソアニメ。タイトルに偽りなし。辛いだけでうま味のない激辛ラーメンみたいな苦行をこなすアニメ。笑えそうで笑えない、共感できそうで出来ない。そういう微妙なラインをせめ続けられる同時リアル体験。アニメでも糞ゲーをこなしつつ、視聴者もクソアニメを見続けるのだ。
 しかしこのアニメ、フラストレーションを溜め続けるも、最終話は綺麗に締めたし、MMORPGらしい旅立ちを感じさせるラストにいろいろと報われるようだ。一部では最終話に限ってはSAOより良く出来ているとかなんとか。それにしてもこの作品終わりは来るのだろうか…。そこだけかなり気になる。
3/10


◇フルーツバスケット The Final 
 フルーツバスケットとは何なのか?原作未完の状態で終わってしまった初期作品から、10年以上の時を空けての完全リメイク。人生を変えた曲、For フルーツバスケットとはどのようにして生まれたのかその根源を探るような長い旅。
 あまりの長さと、あまりの絶望感に途中で投げ出しそうになったフルーツバスケットもやっとのことで完走。フルーツバスケットとはずばり、深い絶望の中での唯一の希望それはまさしく、本田透、主人公本人。
 本作では十二支の呪いとして表現された生きる上でのカルマ、誰もが抱える生きづらさやトラウマを少女漫画の中ではこうなるのかと思うような、人生に本当に必要なものをそっと優しく教えてくれる秀作。救われたい願望が強い少女漫画が多い中、フルーツバスケットは主人公こそが救い救われる共存の世界。深い絶望の中での希望こそ理解ある他人である。
 作中の草摩家に限らず、人間誰しもが抱えるなにかを根底から勇気づけてくれるそんな力強い存在。あまりの激しい絶望に見ているこちらが萎えてしまうよな圧倒的な暗闇のなかに、一点の光、人生とはこれを探し出す旅なのではないかと思う。
 Forフルーツバスケットの歌い出し、「とてもうれしかったよ 君が笑いかけてた」これこそ本田透であり、この作品の真髄であると思う。その後に続く「すべてを溶かす微笑みで 春はまだ遠くて」本田透のパワーと草摩家の絶望と希望をOPでこんなに優しくかつ感情的に包み込むような曲に仕上がったことこそ、この世界の救いなのかも知れない。
 一つの作品から連鎖して生まれた希望こそが、Forフルーツバスケットだったのかもしれない。OP担当に岡崎律子を抜擢した大地監督もなにもかもが奇跡のように思う。
9/10


◇ひげを剃る。そして女子高生を拾う。
 少女漫画の駄目なところを寄せ集めたような気持ち悪い作品。正確には、レールから外れて壊れた女の子の心象風景。女の子は、こんな世界は抜け出してしまいたい、でもその先にはDVもなにもしないヨシダさんみたい理解者がいたらいい。そのヨシダさんがうまくこのゴタゴタを全部解決してくれたら良い。他力本願でご都合主義で甘えで頭の悪い作品。フィクションでありつつも作者の願望がチラチラと見え隠れするようなストーリーにこちらも病んでしまいそうだ。
 女子高生を拾った側の視点で見たらなんだか、つじつまが合わない変な作品だけれど、拾われる側に立ったらこの作品の意図が見えてくる気がする。終盤の完璧な毒親はアニメ史上にのこるクソ親であるけれど、こういう親が結構普通に居ることをふと感じて怖くなった、これはそういうヒューマン”ホラー作品”。通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?実はこれに近い。
4/10


◇幼なじみが絶対に負けないラブコメ
 動画工房の歴史に残る失敗作。予算も人でもなにもかも足りてないアニメ。作画酷すぎて、ストーリーが面白かったのかどうも判断できない溶けてる作品。全体的にはハルヒの次くらいに流行った雰囲気のちょっと古い雰囲気の作品。本当だったら作画や演出で、青春ブタ野郎や俺ガイルくらいの作品になったのかもしれない。
 OPが少し良い感じだったかもしれない。リアルに動画工房の株価が下がったとんでもない駄作。きっとこの作品ちゃんと作っててもパッとしないけど、放送事故レベルの作画を披露してしまったことで記憶に残る作品になってしまった。本当に事故。
1/10


◇オッドタクシー
 今期の毒舌タクシー。社会風刺的な人間観察アニメーション。
キャラがそれぞれ違う動物で描かれているのに街を見たらそういう感じの人居るよねと思わせる。人間の性格って思っている以上に見た目に現れてしまっているのかも知れない。
 主人公のオドカワが目覚めたときには、飾りっ気のない人間が普通に暮らしていたわけだけど、アニメで表現された小さな社会でも、現実の社会も大体こんな感じの人達が寄り添って生活しているのかなと感じさせる。
 このアニメ、10億円とヤクザとタクシーを軸にストーリーが展開していったけれど、フィクションと思えない不思議なリアルさが癖になる。柿花のキャラがみているだけでゾワゾワするような羞恥心と人間味に心が痛くなるばかりだ。
9/10

◇蜘蛛ですが、なにか?
 転生したらスライムだったと対を為す人気なろう作品。アニメ化はやや失敗。主に脚本がいまいちでなろう作品の持ち味であるわかりやすさや爽快感が犠牲になってしまった。
 全体的にノイズが多くて煩い作品。端的に言えばうまく纏まっていないのだけど、それ以上に蜘蛛子パートがずっと洞窟の中で声がキンキン響いていて不快感が強かった。リバーブかけ過ぎているのと悠木碧の長尺一人芝居がきついのかバランスの悪い作品。
 OPEDと自由に作った挑戦的作品でありつつも、本編がどうにも出来なかったような雰囲気。蜘蛛パートだけ1クールでよかったのではないかと思う。一点集中は大事。
3/10

◇シャドーハウス
 オリジナルファンタジー世界の久々のアニメっぽい作品。シャドー家という謎の存在、シャドーハウスという謎の場所。少しの緊張感とコミカルですこし不気味で、遊園地のお化け屋敷みたいなアニメ。シャドーというキャラクターが可愛くも不気味で何とも言えないエモさをかもしだしていた。漫画を書くにしてもアニメ化するにしてもシャドーの表現は楽なのか大変なのかその辺の裏事情も気になる映像的作品。
 キャラクターが沢山居るけれどストーリーが迷子にならないわかりやすい設計。世界観の説明がやや無理矢理感があったけれど、もう少し見ていたと思わせる良作。OPEDもアニメの世界観を忠実に表現した素晴らしい出来。
8/10

◇ワンダーエッグプライオリティー
 1シーズン越しの最終話。総集編を挟んでしっかり復習をしてからの最終話だけれど、これ3月のあのまま最後でよかったのでは?と思わせる出来。途中で出てきたフリルの存在が完全に放置されたままなんだか良くわからない感じで終わってしまった。
 ある意味ホラーミステリー作品であるから仕方ないのかも知れないけれど、もう少し説明勝手も良かったのではないかと思う。この辺は脚本でミスっている感じがした。
6/10


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