2021年1月4日月曜日

2020年 秋終了アニメ 全話感想 総レビュー

アクダマドライブ #13


◇無能なナナ
◇神様になった日
◇ヒピノシスマイク
◇アクダマドライブ
◇安達としまむら
◇くまクマ熊ベアー
◇神達に拾われた男
◇トニカクカワイイ
◇魔王城でおやすみ
◇ゴールデンカムイ第三期
◇体操ザムライ
◇魔女の旅々

◇無能なナナ
 ダークな方のジャンプ作品。1クール使って怒濤の第一章をやった感じ。
孤島に送り込まれたエージェント「ナナ」がサクサク異能者を始末していくだけの作品と思いきや…。
ここからどうなるのかちゃんとアニメ化して欲しいところ。
 どことなくジャンプっぽいキャッチーさとギミック作りは若干のあざとさを感じつつも、あまり細かいことを気にしなければ十分に楽しめる良作。デスゲーム系作品の新しいかたちかなと感じた。
 さりげなく、藤原啓治の声が聞こえてきたときはびっくりした。
8/10


◇神様になった日
 麻枝准の原点回帰の一作。AirにもCLANNADにも無かった原因不明の死に至る病が、今回ではロゴス症候群と架空の名前がついた。
 直球で障碍者を取り扱った初めてのアニメ作品かも知れない。奇跡が起きない現実的なストーリー。
 表現したいことはいつもの麻枝作品だったけれど、結局作品として完成度はこれまでの作品の中でもかなり低いと感じる。序盤のワクワク感とは裏腹にストーリーが進むにつれて、キャラとの繋がりが破綻していったような印象。
 とにかくこのアニメキャラへの共感性が低く、行動理由がとにかく不明で、謎の集まりで謎の映画を撮って、謎の障碍者を囲んでいるというどことなく不気味な雰囲気になっていた。
 設定そのものは、ちょっと新しい感じで悪くはなかったただアニメには落とし込めていないと感じた。
3/10


◇ヒピノシスマイク
 作り込まれた売れるアニメ。女性向けコンテンツと分かりつつ1期だけ見ていくスタイル。
おそ松さんやユーリ、薄桜鬼などネタとしても物語としても楽しめるタイプの作品。
 OPが最終話のラスボス?倒すためのラップになっていてよく出来ているなと思う。
結局、どのキャラが一番人気なんだろうなとぼーっと見ていたアニメ。ラップバトルはアニメと相性が良いのか悪いのか画面が忙しくてなんと見るには不向き。あとこの世界カラフルすぎて目がちかちかする。音楽、声優、ゲーム、恐ろしいくらいにうまく展開しているなと感じる。
飴村君の声はあれどうやったらあんな声が出るのか不思議でしかない。
5/10


◇アクダマドライブ
 今では珍しいオリジナルSFアニメ。未来の日本が舞台の謎が多い世界観。
町並みだったり社会のシステムであったり細部にわたってスタッフの拘りが感じられる。設定資料など見たらもう一度楽しめそうな作品だ。
 主人公の一般人ちゃんが1話から悪玉の詐欺師に染まっていく逆シンデレラストーリー。
段々と解き明かされていく謎と、正義と悪との対比であったり本当の正義との葛藤と、非常に物語へ引き込まれる。
一貫したテーマと濃いキャラクター、なにより無駄がなく、一本のハリウッド映画を見ているような感覚だった。
8/10


◇安達としまむら
 百合アニメとみせかけた深層の闇を描いた心象的作品。
電波女と青春男の時もそうだったけど、この作者はどこか心に闇を抱えたキャラをさりげなく描くのがうまいようだ。
 授業をサボって体育館の端っこ二人で連む事から始まったこの二人の物語。なんともいえない社会不適合感、裏では家庭機能に問題を抱えた問題児のように感じる。
 しまむらは、ただなんとなく勉強が嫌になったくらいの軽い感じがするけれど、安達は暇をもてあまして恋愛していると言うよりは依存先を探して心が壊れかけているような印象を受けた。
 10年後には、しまむらは普通の生活をしていそうだけど、安達はなんだかめちゃくちゃなことになっていそう。そんな無意味な視点の百合アニメは考えすぎだろうか。
3/10


◇くまクマ熊ベアー
 パステルカラーの可愛いなろう作品。
内容は普通の異世界転生もの。この作品の要であろうゲーム要素が一切いかされていないことになんだかモヤッとする。
 とりあえず、特徴的な棒演技の主人公が受け入れられるかがこの作品の縁の切れ目だと思う。個人的には、あのやる気のない声が終始このキャラと作品によくあっていたと思う。
 とりあえずポップで可愛らしいやさしい世界。キャラデザと作画でなんとかもった1クール。
4/10


◇神達に拾われた男
 量産型なろうアニメ。くまクマと内容がごっちゃになる。
どちらが商売を始めた方だったか、どちらがピザを焼いた方だったか、どっちが…?
 日曜朝か土曜夕方にやっていそうな程、起伏のないストーリーにある意味とても安心してみられる。
 こちらもまた、おっさんから転生した設定は大していかされず。
なんだかんだで、スライムアニメだったけれど、終始便所掃除の印象が強い。
3/10


◇トニカクカワイイ
 日本政府推奨アニメ。少し珍しい新婚夫婦が題材の作品。
キャラデザも作画も10年前のハヤテのごとくから全く変わってない感じも見ていてなんだか辛い。10年前にやっていたら確実にリア充爆発云々ずっと言われ続けたと思う。
 このタイトルもこの作風も作者もトニカクイジられまくっている感じがなんともはや。なんだかもどかしさとイライラ感とモヤット感が癖になりそうな不思議な作風。
 中国で異様な人気を誇っているのが奇妙な時代になったなと思う。
OPが今期で一番好き。
4/10


◇魔王城でおやすみ
 出オチの一発ネタでまさかの連載しちゃった感。やさしい世界の魔王と勇者の眠れる話。
最初から最後までずっとワントーンで眠ることに費やした1クール。
 ワンパターンでありつつも、世界の仕組みをうまく利用したネタ感と、早見沙織のナレーションが納得の安心感。
 姫に翻弄される魔王城のコミカルさはなんだか日曜朝のアニメのような安心感があるけれど、さすがにこのアニメ緊張感がなさ過ぎてこちらまで眠ってしまいそうだ。
まあとりあえず困ったら寝よう。
4/10


◇ゴールデンカムイ 第三期
 濃い1クール。中だるみせず物語はどんどん盛り上がっていき、この頃の週刊誌や月刊誌では感じられない体験。
 一つの話の中でも緩急が激しくてとにかく時間が進むのが早い。
新しく出てくるキャラも無駄なくしっかりとストーリーの芯へ繋がっている。それでいてキャラがしっかりと立っている。
 いろいろと複雑になってきて理解しにくくなっているのがやや苦しい感じがしてきたけれど、この作品どこを見ても面白い。
9/10


◇体操ザムライ
 東京オリンピックが予定通り開催されていたら、もっと盛り上がったのだろうか。
選手生命ギリギリの中年体操選手が再びトップへ立ち返る王道ストーリー。
 この作品は割と一般向けに作っているような雰囲気があるけど、ターゲットがはっきりしなくて少しぼやっとしている。忍者を要素に入れたのは海外ウケも狙っているのか、OPの上海ハニーからもターゲットから少し外れていたのかなと感じた。
 サクラ大戦の頃から疑問だけど、なぜアニメ作品にはオカマキャラが挿入されるのか?特にキーキャラでもないけど、牛丼の生姜みたいにとりあえず入っている感じが謎。
 このアニメ体操が主題の真剣なアニメと思いきや、ビックバードの存在だったりのアニメ特有のユーモアが結構多く入っていてドラマではなくやはりアニメだなと感じる。
5/10


◇魔女の旅々
 軽すぎるライトノベル。キャラデザだけは今期トップクラス。
キャラが可愛いだけの作品は過去にも沢山あったけどこの作品については、キャラだけはよかったとシンプルに言えない複雑な印象を受ける。
 主人公のちょっと問題ありの性格だったり、アバンの「そう私です!(キラッ」みたいな癖になりそうでならないなんとも喉がつっかえるような惜しさを感じる。
この絵柄と世界観に、超優秀な脚本家とシナリオライターを引っ張って来たい。
もう一つ引っかかったのはこの手のアニメに共通する音楽がよさそうで全くもってそうでもないこと。でも印象には残った。
 なんだかビミョーな感覚が印象に残ったタイプの作品
4/10


 今期の被りは、電脳世界で戦うハッカー(アクダマドライブ、神様になった日)、ピザを焼いて振る舞う(くまクマ熊ベアー、神達に拾われた男)、たこ焼きを買って食べる(アクダマドライブ、トニカクカワイイ)。

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