乙女怪獣キャラメリゼ #12
天幕のジャードゥーガル
さよならララ
透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。
ヤニねこ
きみが死ぬまで恋をしたい
乙女怪獣キャラメリゼ
スーパーの裏でヤニ吸うふたり
無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜
クレバテスⅡ-魔獣の王と偽りの勇者伝承-
◇天幕のジャードゥーガル
山田尚子監督作品の歴史物2作目。歴史物を扱うのは偶然か必然か?
独特の絵柄と世界観。アナログの質感。この手の作品を見るといつも感じる、学生時代に世界史をちゃんと勉強しておけば良かったと。アニメ自体はかなり手間がかかっていそうである。キャラクターデザインから衣装、背景美術、時代背景まで綿密に設計してあるのがなんとなくでも分かる。この辺りはいわゆるなろう系アニメとは対極的だ。
独特の絵柄と世界観。アナログの質感。この手の作品を見るといつも感じる、学生時代に世界史をちゃんと勉強しておけば良かったと。アニメ自体はかなり手間がかかっていそうである。キャラクターデザインから衣装、背景美術、時代背景まで綿密に設計してあるのがなんとなくでも分かる。この辺りはいわゆるなろう系アニメとは対極的だ。
復讐心と群像劇を描く本作は1クール使いこの物語の始まりを描いた。この辺りもとても丁寧だ。微妙な心情の積み重ねは非常に山田作品らしい。
異国の歴史物を上手く見せること自体がとてもハードルが高いように感じるがこのあたりも監督のチャレンジ精神を感じる。この手の作品に感じる時代を生き抜く賢さや生命力が物語を通して伝わってくる。山田監督の描きたい女子像や人間像が明確になってきたように感じた。
7/10
◇さよならララ
80年代のリバイバル。夢の中でおとぎ話が進行していく。異世界人が、日本の日常を経験するという割とありがちなストーリーに、人に憧れる人魚が入ってきた。
どこかぼやっとした画面構成と行き場のないストーリー展開に、80年代のアニメを彷彿とさせる。何をやりたいのか何が起きているのかいまいちつかめない本作は、握ってもするっと逃げていく小魚のよう。音も色合いもエフェクトも80年代のレトロモダンを踏襲している。夢をそのままアニメに落とし込でいるようだ。
5/10
◇透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。
実写ドラマテイストの余命一週間の花嫁。目の見えないヒロインを等身大に丁寧に描写しているのが印象的。なんとなく、演出や演技も聞き取りやすいように配慮されていたように感じる。障害者理解が深く教材になりそうだ。この作品、大学生が主人公で描ける場面は多そうだが、実際にはシーンの移り変わりはかなり少ない。予想を超えるような展開はなかった。CMでこの夏一番泣ける物語と煽っていたのはやや過剰に感じる。ヒロインの声優に早見沙織を起用した理由は後半になるとわかる。病院に入ってからのストーリーにだいぶ違和感はありつつ作者のこんな作品を作りたいという気持ちは十分に分かる。
無理に感動の物語にしなくても盲の小春ちゃんとの大学生の恋愛だけでも十分なさくひんになりそうではあった。何より小春ちゃんが尊いだけでも十分だったように感じる。盲者と一緒に暮らすだけでも十分に非現実である。それ以上情報を詰め込むとフィクションが渋滞するようで、物語の締めたかにやや無理を感じた。
6/10
◇ヤニねこ
公衆便所はエンターテイメントか。怠惰で下品で汚い獣人が主人公の反社会派アニメ。中学生だったらどハマりしていたかもしれない。漫画家とアニメーターの息抜き的な作品。コンプラにギチギチ縛られながら作品を作り上げる昨今、やりたいことを全力でやってみましたという社会実験的な作品かもしれない。カリギュラ的高揚感がXでバズを生んだだけで本質的にはとにかく下品で汚いだけでさほど面白い作品ではない。全ては反抗心的な心理の中で生まれたような作品に感じる。OPが音楽と映像ともにこの作品の集大成だったかもしれない。キャストに歌える声優を配置したのは最後に大合唱させたかったからなのか単に音響監督の趣味なのかそれはもう分からない。ただこの作品が最後まで放送されたことは現代日本には大きな意味があったと思う。冬コミのヤニ子のコスプレが最後のイベントかもしれない。
4/10
◇きみが死ぬまで恋をしたい
百合アニメの温度感のデスゲーム。生と死に挟まれた百合。ただ女の子同士で仲良くするだけではない、日常があり戦いがあり別れがある。しかし本作にはチート設定のミミがいる。ミミは一度死んでいるが不死身である。不死身でありつつもいつかそれが終わるかもしれない不穏さも兼ね備えている。物語はアクションゲームの間に挟まる日常がを見ているよう。なぜ好きが発生したのかは分からない。ただ一緒に暮らしているルームメイトであり戦友である。戦闘シーンや授業の内容は詳しくは語らないしかし、血がべっとりと付いて帰ってくるミミがこの世界の激しさを物語る。もう少し死を覚悟して戦わなければならない理由や意思みたいなものを丁寧に描写しても良かったのかなと思う。
百合の美しさと死の儚さを描いた本作は、感情を激しく揺さぶられる事象を二つ併せてより刺激的なストーリーへ仕上げたように感じる。関係ない二つ用要素それじたいが女の子同士が寄せ合う禁断の恋のようである。
6/10
◇乙女怪獣キャラメリゼ
セカイ系恋愛アニメ。少女の恋愛を怪獣で大きく立体的に描く。青春の恋愛に邪魔はつきものである。よくある物語には二人の間の障害として親や友達などが描かれるが本作は、怪獣になってしまう少女自身を描く。怪獣に変身するとう突拍子もないような非現実感がありつつも、自分の思い通りの恋愛ができない少女を描く非常に普遍性のある物語である。
恋愛のときめきや焦りが怪獣という形で表現される本作では、感情の高まりがそのまま怪獣のレベルとなって描かれる。視覚的にも非常にのめり込みやすい設計になっているように感じる。この作品を印象づけているのは、ヘビメタル調の伴奏とOPである。発散できない気持ち言葉にできない何かを必死に音として外へ表しているようでデスボイスのそれは怪獣の鳴き声でもあり伝わらない思いそのものだと思う。そんな異物を恐怖や拒絶ではなく、恋愛として見てくれる南くんはイケメン超えて変態にすら見える。
怪獣がこんなにも愛らしくかわいらしく見えたのは初めてである。恋する乙女は怪獣であれいつだって尊いのだ。
8/10
◇スーパーの裏でヤニ吸うふたり
冴えない男と女の恋愛をコミカルに静かに煙く描く。たばことは何か。この作品のたばこは男女を引き合わせる接着剤のようである。たばこ休憩という一抹の時間をともにする人生の最も無駄な時間に生まれる一つの共同空間。社会人というどこにでもある重荷、煙という形のない何かに包まれれたとき人は自由を手に入れられるのかもしれない。不器用で冴えない男が煙の魔法で恋愛対象になる。山田さんとトヤマさんの演じ分けも絶妙にバレるかバレないかのラインにいる。これもまた煙の奥では本質は分からないのである。内心はもう分かっているのかもしれないとはいえ始まってしまった物語はもう止まらない。たばこに火を付けたその瞬間、スーパーの裏という現実世界のとても暗くて寂しい場所が夢の空間に変わる。この作品の肝は現実逃避でありそれこそ心の支えなのである。形もなく時間が経てば消えるそれが唯一自分らしさを取り戻す糧になる。それはまさしくたばこの形体そのものであるように感じる。
8/10
◇無職転生Ⅲ 前半 異世界行ったら本気だす
無職転生の第三期の前編。この物語のピークだという本作をじっくりと見ていく。数々の困難を乗り越えてようやく築いた理想の家庭。本来ならここで終わりそうなものであるが無職転生はここまでがプロローグのような作りになっていた。ここまで必死になって命がけで手に入れた家庭という希望を守る男の話になっていた。無職転生がなろう作品の中でなぜここまで特別扱いされているのかようやく理解した瞬間であった。この作品の根幹にあるのはCLANNADでありシュタゲあたりの作品群である。
相変わらずルーデウス君にはあまり同情できないし好きにもなれないそれでもこの物語の終結がどうしても見てみたいという気持ちだけは強くある。ここからどうやって物語をたたむのかあまりにも楽しみである。
9/10
◇クレバテスⅡ-魔獣の王と偽りの勇者伝承-
クレバテスのアニメ後半。第二クールは魔法学校編が始まった。こうなると唐突にホグワーツが頭に浮かぶ。特撮っぽい演出が盛り込まれたバトルシーン。劇画調の構図が多用されたアニメーション。うまみは沢山あるけれど、ストーリーが安定してくるとハリーポッターを超えるかなと言う感情が先に来てしまう。
スートーリー進行の停滞をかなり感じた1クール。恐らくこの作品は4クールくらいでじっくり見ていく作品なのだと思うけれど、物語の進行よりも先にバトルがくる、その上にホグワーツがある。画面や映像の派手さと裏腹に展開がかなり退屈に感じてしまった。
5/10

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